渡邉知的財産事務所  弁理士 渡邉 泰帥

当社代表の大川 桂一が、主にブレイントラストのシェアオフィス、バーチャルオフィスを利用されている先輩起業家にインタビューを行っています。起業時の苦労話や成功・失敗談、これからの展望をお聞きしています。

渡邉知的財産事務所 
弁理士 渡邉 泰帥
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知財について渡邊泰帥弁理士と対談①

 

大川:後ろの書棚を見ると、弁理士さんだなという感じがします。

渡邊:そうですか?あまり関係ない本もいっぱいあるんですけどね。

大川:そうなんですね。いやいや全て知財に関する本ってことにしておきましょう。

渡邊:え、いやいやいや(笑)

大川:弁理士さんというと難しいイメージがありますけど、先生の場合はなぜ弁理士を目指されたんですか?

渡邊:僕は学生の時は物理をやっていたんです。理系の人なんですけど、就職とか仕事を選ぶにあたっていわゆる研究職とかエンジニアとかそういうベタな技術とかサイエンスとかいうところよりも、そういったものを社会とかビジネスとかいうところに橋渡しをするような仕事ができないかなというのがもともとあって、弁理士というのは最終的にその延長上にあった仕事、要するに特許とかそういったものを使って世の中にある隠れた技術とかそういったものを世に出して、製品、商品、サービスとかにしていくというそういったことがちょうど自分のやりたいことであったという感じですかね。

大川:物理っていうと機械とかというよりも原子力とかそういう感じの勉強ですか?

渡邊:僕は理論物理学なんですね。ノーベル賞とかああいう系です。素粒子がどうのとかなんかそういう。

大川:なるほど

渡邊:だからあんまりなんかそれが直結してどうのこうのと言うよりは、機械が得意な人は機械やメカニックなもの、電機系の人は電機系とかコンピューターとかいうのもありますけど、割と基礎的なところをやってきて、大体何聞いてもある程度は分かるけれどもそういうベースですね。

大川:一回ビジネスモデル特許についてご相談したことがありましたけど、ビジネスモデル特許といわれるのはここ10年くらいのもので、歴史というものはあるんですか?

渡邊:言われるようになってからはまだ20年経ってないと思いますけど、もともとなかったかというと、あるにはあったんですね。で、ビジネスモデル特許というのは、結局は考えたビジネスモデルをコンピューターとかネットワークとかを使って実現することが出来るというのが条件になっていて、いわゆるコンピューターとかが世の中に出て来て今みたいに誰でも使えるようになって言われてきてますけど、昔から似たようなものはあるにはあったんですね。ただここにきてインターネットだとか普通に皆さんスマホを使うようになったので、ビジネスモデル特許というものが注目されるようになったという流れがあるんです。

大川:特許というと、ネジの口径がこれくらいで、とかグリースがこうで、みたいな、グリースって油でしたっけ。

渡邊:はいはい油です。

大川:我々、馴染みが深いっていうと最近は下町ロケットというドラマで闘ってるじゃないですか、弁護士さんが特許の関係とかで。ああいうのはすごくわかりやすいんです。それを発明した人が真似されちゃったら利益を享受できないだとか。ビジネスモデル特許というのはパソコンを使ってビジネスモデルを実現するといっても結局パソコンを考えられる人はすごいけどビジネスモデルを組み合わせているだけだから何守ってくれるのという理論が、まあそこの根拠がなんなのかなというのがちょっとよくわからないんですけど。それをビジネスモデル特許を例えばgoogleとかyahooがそういうビジネスモデルを考えたらそれを守ってくれるというのが利益が参入障壁になったりするっていうことが世の中に今起こってないから、そういうことではないんだろうなとは思うんですけど。

渡邊:ああ、なるほど。多分目立った形で表に出てきてないからだと思うんですよ。

ビジネスモデルの特許という形よりはコンピューターシステムでのなんとかっていう形で出てくることが多いんですね。あとはコンピューター系って先ほど言ったネジとか何かに比べるとテンポが速いじゃないですか。1年2年経っちゃうとそれが既に陳腐化してしまって、そんなサービスなんてどこにでもある普通のサービスだよというふうになってしまうので、あまり特許で争うというのは少ないんです。目立ってこないからというのもあります。ただ近年だと、有名なのだとmoneyforwardとfreeeという

大川:ああはいはい

渡邊:インターネット上での二大会計システムの会社がありますけど、そこのところの特許で裁判になって争ったというのが1年ちょっと前にありましたけど、そんなふうに最近では少しずつ表に出てくるようにはなってますね。

大川:ウェブ上でやる会計ソフトの件の考え方で訴訟になっているんですか。

渡邊:考え方ですね。具体的にはその事件はどういう事件だったかと言うと、まあ中小企業やスタートアップの会社の方はお金の話とか気になるところだと思うんですけど、最終的に年度が締まって税務署に申告出すときに、仕訳ってあるじゃないですか。

大川:決算書の、

渡邊:そうです。鉛筆を買ったらこれは文房具の何だろうとかそういう小さいのから始まって、借り入れたお金はどういう項目に仕訳ければいいのかとかですよね。ああいったのを

自動仕訳、要するに銀行やいろんなところから借りたお金の出し入れのデータを入れて

その費目に合わせて自動的に仕訳をしてくれるというようなfreeeもmoney forwardも持ってるんですね。で、多分それはそういうのをもう使っていらっしゃる方はご存じだと思うんだけど、データがダーっと入ってくると自動的に振り分けてくれるんですね。で、まあ開くともうそれぞれのところに仕訳けられているというね。その、自動的に仕訳けるという「考え方」をコンピューターを使って実現をするという特許をとったいう主張をしたのがfreeeなんです。freeeはだからいわゆる仕訳をコンピューターを使ってやるというものの特許を持ってたと、でそれをmoney forwardが侵害しているということで争ったということなんです。money forwardさん側のほうは、freeeとは違うやり方をうちはやってるから侵害してない、と争ったというね。それをビジネスモデルと言うかというとあれなんですけど、その仕訳のしくみを、コンピューターで自動的にやるというのを一つのビジネスモデルとして考えるのであればそれはビジネスモデルだと、そういう考え方です。特許というと難しそうな感じなんですけど、要するにポイントとしては「世の中にある課題を技術を使って解決しました、そしてそのことは今まで世の中で誰も考えていなかったことです」というのが特許というものなのです。だから今の考え方で行くとfreeeにしてもmoney forwardにしても、昔から税理士さんが仕訳とかやってたじゃないかって言われるとその通りなんだけどもね。今までは税理士さんという資格を持った人や、ある程度経理の知識のある社員が時間をかけて、これは何かなという振り分けを手作業でやっていたところをコンピューターがやってくれるようになって人件費が浮いたとか、誰でも出来るようになったとか、すぐ結果が出るようになったというところに価値がありますよというところでこれはすごい発明だというふうに認めてもらえるというそういう考え方ですね。

大川:今先生がいいフリをしてくださったのを僕がちょっと逸らしてしまったのでもとにちょっと戻しますと、スタートアップの人とか我々とかはそういうのにチャレンジしてそういう技術を生んで、とやっていくと。うちの卒業生でいうと渡邊先生も会ったところではoneterraceの石中君、サトウレイジとかエンジャパンに出資してもらったところとかがいるんですけど、まあでも彼らも僕らもスタートアップしたあとコロナ禍ではわりとスケールしたほうだなと思ってるんですけども。まあ僕のビジネスもそうなんですけど、すごく画期的なものを作ったという形ではないじゃないですか。で、まあ言ってしまえばスティーブジョブズのiphoneだって電話とウォークマンをくっつけるみたいな、そういうまあそれをさらにブラッシュアップしたデバイスを作ってるという感じですけど。iphoneまでいってしまえば特許とれるだろうという形になるでしょうけど、我々がやってるビジネスというのは、一部の天才が生み出すデバイス以外はやっぱり陳腐化する前提で特に僕なんか動いてるわけです。

渡邊:はい。

大川:僕も不動産屋にしては画期的な方だとは思うんですよ。不特法(不動産特定共同事業法)やったりとかソーラーシェアリングをやったりとか京橋でシェアオフィスやインキュベーションオフィスをやったりとか、でもいずれこういうものは陳腐化するという前提でやってるんで。

 

 

 

知財について渡邊泰帥弁理士と対談②

 

大川:iphoneまではいかなくても例えばfreeeさんとかそれを特許とってたというだけでも僕はすごいなと思って。これは特許になると思ってとりにかからなければ知財(知的財産権)を持とうと、まあおそらく上場を考えていたから知財とらなきゃだめだというのがあったのかもしれないんですけど。

渡邊:はい。

大川:まあ戦略的にはIPOするときの一つの武器かなんかみたいな感じで皆さん知財をとるんですかね。知財そのもので儲かるかというと、それこそiphoneのsiriとかの技術持ってる人たちも結局バイアウトでAppleにその技術を売ってると思うんですけども。そういうのも知財があればイグジットとして可能性が広がるという形なんですかね。

渡邊:まず知財と言ったときに、今日これを聞いてる方はスタートアップの方がメインだと思うので、じゃあスタートアップの方が知的財産と呼ばれるものというのを必要なのかどうなのか、どう使うのかという話でいくとするならば、まずスタートアップの方が特許をとってそれを使ってほかの会社を訴えてやる、という使い方は難しいです。理由はいろいろあって、特許を一つ持っているからといって、それがよほどすごいものなら別として、そうじゃなければそれ一つで闘うことは難しい。ではスタートアップの人は何のために知財をとるかというといくつかあるんですが、ひとつは外向けに使う、例えば最近でいうとVC(ベンチャーキャピタル)さんなんかも資金調達する際にそういう知財、特許をおさえてるというかそういうところを評価するように実はなっているんですね。なので、その資金調達の時にうちはちゃんとそういうことに関してメンテナンスかけているとか意識してやってるよということでアピールすることができるというのがあります。だから大川さんがおっしゃったようにイグジットするときも同じですから、イグジットしてほかの会社に売るなりなんなりといったときに持っている特許とかあればそれは一つの知的財産ですから、それをある程度値付けをしてもらって売ることが出来ますので、そういった意味で資金調達だったりイグジットしたりするときにいかにその会社の価値を高めるかという観点がひとつめなんですね。あとは、マーケット向けに、例えばそれがモノを作る会社であれば一般コンシューマーかもしれませんしサービスを提供する会社だったらネットでサービスを使ってくれるとかかもしれないけどまだまだ世の中的に言うと、特許出願中とか書いてあるだけでなんかすごそうだと。

大川:そうですね、なんかそういうのありますね。フェイスブックとか広告にふってありますもんね。

渡邊:なのでそういうの書いてあるだけでなんか信頼できるなとかいうような、マーケティングに使うというやり方がひとつと。あとは他との牽制というか、例えばあるインターネットのホームページのサイトでそこに特許とってますと書いてあったら、これは下手に真似をしたら危ないんじゃないか、となんとなく勝手に思ってくれるとかいうような、どちらかというと特許の本流、権利を持ってるからそれを使って誰かを訴えてやるとかその権利を誰かに月々いくらで使わせてあげるという、先ほどのネジとかそういう機械系の特許にありがちな本流というよりは、ネット系スタートアップだとそれ以外の使い方のほうが主流というか馴染む感じはありますね。

大川:一方で技術的なところでは、どうしても下町ロケットになっちゃうんですけど、なんとかゴーストが持っている特許が使えないとか佃製作所が持ってる特許が使えないとかっていう、そういうお金になる特許というのは技術面ではあるということですね。

渡邊:それはもちろんありますね。

大川:管轄している省庁ってどこなんですか。

渡邊:特許庁です。経済産業省の下にある特許庁です。

大川:国土交通省の下に観光庁があるみたいに、経産省の下に特許庁があるんですね。

渡邊:特許庁というところが管轄してますね。特許庁というのは権利を、例えば特許権、商標権という権利を付与してくれるので、それを以て例えば、使いたいんならお金いくらかくださいとか、侵害してるので使わないでくれ、みたいなのは本人がやらなければいけないんですが、権利自体の管理というところは特許庁が審査をして管理をしているというところです。

大川:使うにあたっては、開発するためにかかったコストであればそれをこの会社に払ってあげてくださいよという争いになってくるということですね

渡邊:払ってあげなさいというよりは、実は特許権というのはすごく強力な権利で、「独占権」なので特許をとられちゃうとその人しかできない。独占権ですから。そういう話でいうとなぜ帝国重工が佃製作所の特許を買い取らなければいけないのかというと、佃製作所が持っている特許の技術を使わないとある製品が作れないということになると、その技術と言うのは佃製作所が特許を持っているわけですからその人しかできない、もしくはその人がやっていいよと言った人しかできないので、勝手にやるとそこで権利侵害が起きてしまうんです。そうするとどんなに小さな会社であってもそこに「使わせてください」とお願いにいかなければならないという関係なんですね。ただそうは言っても、それを使わないと出来ないという製品は世の中にはなかなかないです。代替品は作れます。なのであれはあくまでも小説の中の話なんです。ただ、モデルとしてはそういうことです。特許と言うのは持ってる人しか使えない、その人しか作れない、その人しか実施できない、もしくはその人がやっていいよと言った人しかダメという、そういうものですね。

大川:そうすると、黄金比でこの形状じゃないとだめなものとか、配合比率でこの比率じゃないとこの製品は作れない、要は代替が効いてしまって同じパフォーマンスが出れば、その特許を避けてしまえば違う商品は作れちゃうじゃないかということですね。

渡邊:そうですね。今は特許をとる側の話をしていますが、たとえばある日突然どこかの会社からお宅のは特許侵害ですよと言われてきたときやそういう書類が送られてきたとすると、いやいやうちのはやり方がこう違うからお宅のとは違うんだよというふうに、違いを見つけていくという話ですね。

大川:さっきのmoney forwardさんが守る(防衛する)場合としては、そういう論法でいくということですね。

渡邊:そうです。違うんだよ、と。

大川:なるほど、でもそういう難しいところややこしいところにいくよりは、会社のブランディングという意味で使うほうが、我々スタートアップを使命としている側としてみたら、そういうふうに使えばいいよという、あともっとハードルを下げて特許までいかなくても商標登録とかですよね。

渡邊:スタートアップの企業さんが一番初めに考えるべきは商標、いわゆるブランド、マーク、ですよね。商品のネーミングですとかもそうですね。実はスタートアップは、先ほどから特許特許言ってますけど、スタートアップはどんな業種であっても、モノを作るスタートアップであろうがネットサービスをやるスタートアップだろうが、まず一番初めに考えるべき知的財産とは何かというと商標なんですね。なぜかというと商標は他人にとられてしまうと同じように使えなくなってしまう。例えばiphoneならiphoneというブランドが他人にとられてしまうとあとでそのiphoneというのを使おうと思っても、文句を言われると使えなくなってしまう。で、往々にして商標というのは例えば商品のブランドというと、ある程度世の中に認知されてから問題になる、まだサービスを立ち上げたばかりの時で、全然世の中の人は誰も知らないと問題にも何もならないんですけど、ある程度世の中に知れ渡ってきた時に誰かから「その商標はうちが持ってるんだよ」と言われたりすると、その商標の名前を変えないといけないのか、高額な使用料を払わなければいけないのかという話になりがちなんですね。なので、まあスタートアップの方々にお話しするときは一番初めに考えるべきは商標ですよ、という話はさせていただいてます。

 

大川:うちはすごく商標と言うか、うちの会社はBraintrust from the sunと言って、略すとBTSなんですね。なので韓国アイドルと同じなんですよ。で、うちのLINE@に若い女の子から友達申請がものすごく来るんですよ。で、うちは韓国アイドルじゃないよって返してるんですけどね。で、なんでこの名前使ってるんですかって聞かれるんですよ。いやいやむこうのが後だからっていう話になりますよね。

 

 

 

 

知財について渡邊泰帥弁理士と対談③

 

大川:その略称を最初からBTSというのを使ってたんですけれども、むこうは防弾少年団とかなんとか、でもむこうはしっかりと商標登録とかしてると思うんですよね。

渡邊:してるでしょうね。

大川:じゃ僕は最初からBTS使っていたのに「使うな」って言われちゃうんですかね。

渡邊:大原則を言うと、仮に韓国でBTSを登録していたとしても、その登録よりも前に使っていたのなら大丈夫です。

大川:そうなんですね。

渡邊:もともと使っていたのにやめろというのはさすがに無いです。一回それでやめちゃうともうだめなんですけどね。前からずっと使い続けているからいいでしょ、というのは基本の原則としてあります。それから商標と言うのはサービスとか商品ごとに決まっていますので、今大川さんがやられているような例えばコンサルティングとか不動産関係とかそういうところでもし取っていないとするならば、そこは文句を言われる筋合いはないよというね。

大川:はい

渡邊:そういう関係になりますね。

大川:僕が男性アイドルユニットグループとか女性アイドルユニットグループをプロデュースしたとして、それにBTSってつけたらそれは言われる可能性があるわけですか。

渡邊:その可能性は高いですね。それはたぶん商標だけじゃなくてもう、不正競争防止法というのがあるんですが、そっちのほうでも何か言われるでしょうね。乗っかろうとしているな、というね。

大川:ああなるほど。確かに、乗っかろうとしているものの何物以外でもないですよね。そういうことなんですね。まあそういうふうになるから気を付けなければいけないというのがひとつですね。僕最近ちょっと思ってたんですけど、うちにいた子たちがスケールしていく中で、いろんなところ、例えば出資、投資家などのところに連れて行って、

知り合いで僕が施設に入ってた頃に出資したのは、中野さんだけ一社資本入れてたんですけね。僕も一人女の子に出そうかなと思ったんですけど、そんなに遊ばせるお金もないなということでやめておいてはいたんですけど。結局無料のコワーキングでやってる間に、賢い人たちはオフィスを移ってどんどん大きくなっていって。で、今見るとoneterraceという海外の人材派遣をやっている石中くんなんかはすごくブレーンが出来てきて、ITを主体とした人たちを取締役として入れて頑張ってやっているのを見て、なんかそのときにはそういうことをしてあげられるような力量はうちにはなかったけど、そこから3~4年経ってみて、僕が取締役で入るのはまあ別にして、生け簀みたいな、実際にあのとき60社を無料のコワーキングで受け入れて、そのうち目立ったところで言うとレイジのところとかがエンジャパンにお金入れてもらって良い方向にいったというのと、石中くんがいまSBIからなんか出資のシステムをやってスケール目指しているというのを見ると、60分の2でもすごいじゃないですか。

渡邊:そうですね。

大川:その、確率としてはね。だからまたその生け簀の中に魚を泳がせたいなとちょっとまた思っていて。ただ、今こういうご時世なのでどちらかというとウェブ上で京橋のオフィスにバーチャルで入れば、30から50かな、彼らのビジネスモデルを全部ヒアリングしてそういうのをリスティングしておいて、興味がある投資家たちが話を聞くのであれば、まずその子たちは遠方にいるから僕がここで聞いてあげて三者でテレビ会議とかして。さっきの話でいくと知財とか出資とかの話になるときにスタートアップとVCとの温度差とかがあるでしょうし、VCに行きつくまでのまずエンジェル(エンジェル投資家)、昔みたいに金余りの時代でもないじゃないですか、どっちかと言うとアゲインストの風が吹いている中で百万でも二百万でもいいので入れてくれるエンジェルと繋ぐような。60分の2が今度は30分の1なのか30分の2なのか30分の3なのか、であれば結構やる意味があるなあと思っていて。

で、渡邊先生然り、中野先生然り、この間話したマガミックも然り、先日はちょっと不動産鑑定士の先生とも話したんですけど、やっぱり僕の人脈も4年前とは随分広がってきているので、もう一回その生け簀を作ろうかなと。このパンデミックの状況で会えないような状況だからこそ、東京駅の近くのシェア会議室からこういうのを発信するのはすごく意味があるかなと。

渡邊:なるほど。

大川:先生と今回お話ができたので、そういうのも合わせて、うちのブレーンにこういう人がいるよっていうのも、今youtubeも結構再生させているので相談が来ると思うんですよね。でまあ何の因果か、最初診断士の川崎さん経由でまさかあの大阪のビル・ゲイツであるタモツ社長の、ビル・ゲイツに怒られちゃうかもしれないけど。

渡邊:保さんはまだいらっしゃるんですか。

大川:保さんはまだいますよ。あのオッチャン、なんか今元気ないですよね。苦しんでいる人がいるときは飲み会の写真をフェイスブックでアップしないと言っていたんで、まあその発言通り、全国を行脚しているんでしょうけど。

渡邊:はい。

大川:最近は遊んでる写真をアップしてないようで。

渡邊:このご時世ではなかなか。

大川:しづらいものはありますね。でもあの人ももう何十年と創業支援をやっていらっしゃるでしょうから、そういう人とも協力しながら。やはりこの三密を避けるという状況になって東京の一極集中と言うのはどうしても避けざるを得ないというような状況になってくると思うんですよ。私もまた東京都の認定インキュベーションをとりにいこうかと思ってるんですけど。そういった意味でこういうバーチャルな感じで創業支援していくというのは広がっていくのかなと思ってるんで、先んじてこういうのをやっていこうかなと思ってます。先生にいろいろ今回のために事前のアンケートでも書いていただいて、やっぱりさすがだなと思うのは、昭和の時代をやっていらっしゃる人というのは、こういうの聞きたいですと言うと先にくださいますよね。

渡邊:ああそうですか(笑)

大川:先生からすれば常識なのかもしれないんですけど、やっぱり診断士と鑑定士(の資格)を持っていらっしゃる先生も事前にくださいましたね。受けている教育はそこを素地にしてやっているんだなあと思ってて。うちの研修生は今雇用調整助成金で、こういうのを見たりとかこういうものの文章を起こすとかをやらせてるんですけど、やっぱり語彙が無いですし、こういう文章にテロップ入れるときも、意味を咀嚼していないので字を間違っちゃったりするんです。

渡邊:ああなるほど。

大川:一応今回も研修でそれをやらせるので、今回は知財とか難しい言葉が出てるんでもしかしたら知財の知が恥ずかしいの恥になってるかもしれない(笑)

渡邊:あはは(笑)今、話をしているのを文字で起こすわけですね。

大川:文字を起こしてテロップを入れさせるんです。

渡邊:なるほどなるほど

大川:で、雇用調整助成金で研修をさせるとプラスアルファになるんですよお給料が

渡邊:ああ、雇用調整助成金の研修扱いとしてということなんですね。

大川:何もしないで金を受け取る制度にしちゃうとやっぱりよろしくないので、勉強しなさいと。

渡邊:なるほど

大川:当然やはり勉強をしないとお金も稼げるようにならないから、研修の一環でやってるんですけど。日本人の活字離れというか、もうすぐ僕も45になりますけど先生のように勉強されてきた方々に比べたら言い回しとか、学術論文を書かれた方たちに比べたら全然だめですけど、もっと壊滅的にだめなんですよね若い世代って。

渡邊:はい

大川:論理的思考で論理的文章が書けないと、日本語ですらそうなのであれば、英語で国際社会でコンペティター(競争相手)に負けちゃうじゃないですか。で、僕とか先生みたいに日本を離れないで競争をしないで済む世代はいいかもしれないですけど。

 

 

 

知財について渡邊泰帥弁理士と対談④

大川:これからお子さんを持って、英語教育をしていく中で勝ち抜く子たちに関してはやっぱり母国語と英語でちゃんと読み書きが出来て考えが伝えられて、ということが絶対的に必要じゃないかなと思って。

渡邊:なるほど。

大川;そういう感覚を持たせたいなあという気はしてるんですよね。まあ僕はもうそこにはいかないんでいいんですけどね。僕もあと余命が100年あったら勉強した方がいいかなと思うんですけど。

渡邊:まあ、そうですね(笑)

大川:それで、先生から来た文章で今回自己紹介を先に、youtubeでの説明後に入れるんですけど、念のため先生のご商売のことをちょっとご自身で紹介していただいてもいいですか?

渡邊:弁理士とは、ということでいいですか。

大川:どういうお仕事がくるといいのかな、とか。

渡邊:弁理士という資格自体があまり知られてないと思うんですけど、私が持っているメインの資格が弁理士という資格なんですね。弁理士という資格は、知的財産と呼ばれるもの、具体的にいうと今までの話に出ていた「特許」とか、特許というか「発明ですね、発明を独占するとか、商標、マークとかブランドとかネーミングを登録して整理していくというようなものですね。あとは意匠というデザインですね。例えばiphoneでいう画面のデザインとかを申請していく、そういった辺りのことを特許庁というお役所に申請して権利を取得するというね。それをどうやってビジネスに活用していくかというところをやっています。

一般的に弁理士というとそういった権利を役所に出す、つまり特許庁というところに出願をして権利化していくというところで仕事をとどまっている場合が多いんですけども。まあ私の場合は今回大川さんのとこといろいろお話をさせていただいているんですが、せっかくとった権利であればそれをどうやって生かしてビジネスをやっていけばいいでしょうか、とかあなたの会社のビジネスだったらこういうとり方するよりもこうやったほうがいいですよとかいうところぐらいまで少しこう、一歩踏み込んだぐらいのところでご相談をさせていただきながらいきます。最近でいうとそこから派生して、例えばPマーク、個人情報のPマークありますよね、それの取得と絡めてそっちのほうのサポートとかしてみたり、似たようなところでいうとISMSっていうISO27001という規格があるんですが、そういったものの取得のお手伝いであったりとか。先ほどの雇用調整助成金ですか、そういう厚労省系のはあまりやらなくて経産省系の助成金を使って何かをやりましょうとか、ものづくり補助金とかああいうのですね。そういうところのお手伝いを一緒に絡めてやるというところも含めてね。

大川:ああ、はい。

渡邊:知財をコアにしてその周辺とかもいろいろお手伝いをさせていただいているというのが今の状況ですね。

大川:そうか、もの補助(ものづくり補助金)は知財に関してとるものは、経費で助成で出来るんですものね。

渡邊:出来ます出来ます。もの補助(ものづくり補助金)の中に、特許をとりますとか商標をとりますというお金を入れちゃう。

大川:この間それちょっとご相談しましたよね。うち今回別のソーラーシェアリングのほうで申請を川崎さんにお願いしてるんですけど、

渡邊:ええ

大川:もし落ちたら、来年やれればさっきの生け簀というのはビジネスモデル特許で行けないですかね、インキュベーションオフィスのそういう形の。

渡邊:そうですね。それをどうやってコンピューターを使ってどうやって実現するかというところなので、そのビジネスの中のどこらへんをコンピューターだのネットワークだの、今でいうとAIだのなんだのでするのか、そういったところをうまく形に出来ればそういったこともやっていけると思いますよ。

大川:そうですよね。結局僕がやったことのあることしか生け簀の子たちには教えられないじゃないですか。僕が小規模事業者持続化補助金とか、もの補助(ものづくり補助金)とか雇用調整助成金とかもやってますけど、僕のインキュベーションオフィスの強いところって、自分がやったことを伝えてあげられるというのが一番のメリットで。

渡邊;そうですよね。わかりますわかります。

大川;それをサポートしていただく先生方で、VCにお金入れてもらうのも一緒だと思うんですけど、ただお金を払ってやってもらう、僕専門家の方とお付き合いすると川崎さんとか木戸さんとかお付き合いしていていろいろやっぱり会計処理のことは当然僕よりも木戸さんのほうが知ってるし、もの補助(ものづくり補助金)の具体的な運用のほうについて言えば川崎さんのほうが知ってるんですけど。

渡邊;はい。

大川:どういうものをやっていこうとか、どういう助成金の申請の仕方をしようとか、助成金にどういう処理があるかとか、雇用調整助成金にどういうのを使うのかとかは結局僕のほうが知ってるんですよね。事業に必要だから調べちゃうんでそれを実際どうやるかというときに、こういうのあるからやろうよと川崎さんや木戸さんに言って、それを深堀してもらうときに専門家が要るわけで、それで専門家の人たちもそこから勉強をスタートするケースが多かったりして。

渡邊:はい、そうだと思います。

大川:気づいたら別のところでそのことを先生ぶって話してるやんって思うときがたまにあるんですけど(笑)、でもそれはそれで有りだと思ってて。結局僕らも先生方の胸を借りてやるし、先生方も起業家の胸を借りてやるというような関係が出来ていて、一つ一緒にやると信頼関係が出来ちゃって、ある程度ツーカーで出来るとすごくビジネスがまわるという。これは社内であろうが社会であろうが取引先であろうが、結局人対人の関係性で仕事をしていくというところに何ら変わりはなくて。で、先生とのお仕事はまだ無いですけど、知り合いになってから2年くらい経つと思うんですけど。

渡邊:そうですね。

大川:今回こういう対談も出来て、先生の人となりもわかって、この2年間のお付き合いで先生の人間性というのはもう、太鼓判で保証できるというか。

渡邊:あはは、ありがとうございます(笑)

大川;先生を(ほかの起業家に)ご紹介も出来るし。

渡邊:自分のお客さんというかクライアントなって頂いた方は、どんな人なんだろうと定期的に見ていったり、最近こういう傾向があるとか見ていったりしたりもするんですけど、やっぱりお互いにちゃんと信頼してお仕事が出来たりしていくのって、対面でちゃんと会ってお互いがどういう人かよくわかってる、という人なんですよね。なので、特に今コロナでこういうテレワークのようなものが流行ってますけど、これがひと段落するとまたもう一回ぶり返しが来て、あのとき(テレワークだけで)会った人ってどういう人なんだろう?と思って、もう一度ちゃんと顔を合わせながら初めに繋いだのを太くしていくというフェーズが次に来るんじゃないかと。で、そのときにちゃんと太く繋がれた人ときちんと仕事が出来ていくというのが次にやってくるんじゃないのかなという感じはあります。

大川:きっとこの先先生とお仕事をする機会が来るだろうというのが何となくあって。僕もいろんなところから反対されながらここの京橋のオフィスをなんだかんだ4年継続しているんですよね。

渡邊;はい

大川:儲からないからやめたほうがいいですよと言われ続けて、結局まあコロナの問題が起こるまではトントンくらいまでは回復させてて。で、今は東京都が家賃の助成とかはやってくれてるんでまだ大丈夫なんですけど、結局うちの会社って売り上げの大半、9割くらいを僕に依存しちゃってて。で、インキュベーションオフィスって無くてもいいよねという人もいっぱいいるんですよね。でもやってて楽しいじゃないですか、例えば先生とこういうお話をして、とかあとは川崎さんとかと出会って川崎さんがまた別の方を紹介してくださって

とかそういうところから派生して、一見、利益に貢献していないようですけど僕もそれによって励起されてここからまた頑張る、みたいなところがあったりするんです。

渡邊:はい

大川:こういうテレビ会議みたいなのが主流になったからといって、人と会わないでビジネスが出来るかというとそうはならないと思うので。

渡邊;そうですね。

大川:やっぱりそういう「場」の提供というんですかね、三密は避けなければいけないんですけど、ウィルスと共存していくためには、抗体を持っている人たちがお互いにシェアオフィスでやっていくような、入口のところでそういうチェックをするような設備も今後増えてくるでしょうし。ウェブ会議が出来るシステムを備えたシェアオフィス、もしくはシェア会議室というのが増えてくるでしょうから、そういうものに合わせて、全てがすぐに陳腐化し変化していくような世の中でどうやって生き残るかというのを考えていく。そういう中で渡邊先生や川崎先生、木戸先生みたいに本当に勉強されて知識が体系的になっている方の意見を聞きながらやっていくというのは、インキュベーションオフィスに関して言うと必然だと思うんです。なので今後とも仲良くしていただければなと思っています。

 

 

 

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