当社代表の大川 桂一が、主にブレイントラストのシェアオフィス、バーチャルオフィスを利用されている先輩起業家にインタビューを行っています。起業時の苦労話や成功・失敗談、これからの展望をお聞きしています。
オプティマルソリューション株式会社
中小企業診断士 糠森 浩二 社長
ホームページ:https://www.optimal.jp/
今日はオプティマルソリューション株式会社の糠森中小企業診断士にお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。
起業の動機を教えてください。
そうですね、親戚の中でサラリーマンをしている人がほとんどいなかったので、大人になったら独立するものだと小さいころから漠然と思っていました。
それは珍しいですね!
サラリーマンはしたことがないのですか?
一応、何年かは会社勤めも経験しています。
ちなみにどの様なお仕事を?
最初に勤めたのはコンピューターの補修会社でした。三菱電機の子会社で、三菱電機のコンピューター専門に補修していたのですが、三菱電機がコンピューター業界から撤退した際に当時働いていた会社が事業を引き取ってコンピューターメーカーとなった感じです。その会社でプログラマーとかSEとして勤めていました。
糠森さんは中小企業診断士の他にもIT系にも詳しいのですね。
そうですね。
一般的に起業するとなると、安定しないですとか、事業が失敗したらどうするのといった家族からの心配ってあると思うのですが、逆にサラリーマンが少ない家族ということでしたら、起業することに対して当たり前といった反応でしたか?
家族は驚きませんでしたね。「あぁ、そうか」といった感じでした(笑)独身だったということもあって、特に反対はされませんでした。
糠森さんお嫁さん募集中です(笑)
起業はいつされましたか?
2007年の7月でした。
ということは、今年で14年目ですね。
14年目、15期目に突入したところです。
中小企業診断士一本でそんなに長く経営されているのですか!
起業して一番良かったことを教えてください。
そうですね、満員電車に乗らなくて済むことですかね。
この回答は皆だいたい同じですよね、自由だって(笑)
朝の満員電車に乗って、一番混んでいる時間に帰るっていうのが一般的ですもんね。逆に、起業して一番嫌だったことを教えてください。
最初はお客様が付くまでですね。そこまでが大変でした。それと、起業して1年目にサブプライムローンショックがありまして、その翌々年にギリシャショックがあり、そのさらに翌々年にリーマンショックがあって、そのさらに翌々年に東日本大震災があったせいで景気がガクンと悪くなって、リーマンショックと東日本大震災の後は1年くらいほとんど仕事が無かったです。
でも、逆に東日本大震災の後なんかは様々な助成金が出てくるので、中小企業診断士さんなんかは忙しそうなイメージがありましたけど、そんなこともないのですか?
当時はそういった補助金助成金は特に無かったですね。ちょうど民主党政権の時でしたから、何にも無かったですね。
その時はどうやって生活していたのですか?
当初起業する時に「5年間は仕事ないだろうな」と思って、5年分の生活費を貯めてから起業したので大丈夫でした。
すごく計画的ですね、そう言うと起業したい人いなくなっちゃいますよ(笑)
でもそれくらいの準備というか、覚悟ですよね。
今ブレイントラストのシェアオフィス・バーチャルオフィスに入居していただいているのですが、このシェアオフィスを選んだきっかけを教えてください。
きっかけは…。
あまり触れたくないのであれば…(笑)
以前居たところがオーナーと喧嘩して出ていくことになったので「じゃあ」といった感じでしたので(笑)
ではブレイントラストのシェアオフィス・バーチャルオフィスの良いところについて教えてください。
東京駅とか京橋駅から近いところですかね。それと、道の説明がしやすいので迷わず来ていただけると思います。
よくシェアオフィス・バーチャルオフィスの経営者の前で場所しか褒めないという選択肢が取れますね(笑)
でもシェアオフィスの立地条件は一番大事ですからね、そこをご満足いただけているのは嬉しいです(笑)
どれだけ立地が良くても、お客様がわからなくては意味がないですからね(笑)
では逆にブレイントラストのシェアオフィス・バーチャルオフィスを利用してみて、改善点やご要望等はございますか?
突然会社に来るお客様がいるのですが、そういう人達のためのちょっとした打ち合わせスペースがあると良いなと思います。会議室が空いていればいいのですが、空いていない時に、自分とお客様の2人だけが座れるようなスペースがあるとありがたいです。
今回、ビジネスコンテストというものを開催しておりまして、最優秀賞者には100万円出資するという趣旨のコンテストなのですが、もし100万円が入ったら公私関係なく使いたいものはありますか?
引っ越しをしたいですね。自宅を職場に近づけるなり、逆に職場を自宅に近づけるなり…
シェアオフィスの運営者の前でよく言えますよね(笑)
ご自宅は結構遠いのですか?
いえ、自転車で通っています。
近いじゃないですか(笑)
それでももう少し近くにしたいですね
銀座とかですか?
いえ、もう少し近くの三越前とか…
人形町とかどうですか?下町でおいしいものたくさんありそうですし…。私不動産屋ですのでいつでもご相談ください(笑)
ビジネスコンテストに関連する質問なのですが、このシェアオフィス・バーチャルオフィスにどの様な起業家が来て欲しいですとか、どの様な起業家と働きたいといったご要望はございますか?
私の一番の専門はITでして、メーカーでプログラマー、エンジニアをやっていましたし、その後は大手の監査法人に入ってIT監査・SOX法監査もやっていましたので、システムを作るところから監査するところまで全てわかります。ITに関する事でしたら幅広くアドバイスできるかと思います。
SOX法って一時期すごく話題になっていましたよね。あれはまだやっているのですか?
そりゃ、まだやっています(笑)
先ほども仰っていましたが、中小企業診断士の先生は結構得意領域があるのですね。
そうですね、診断士の試験というのは基礎的な部分が非常に多くて、例えばコンサルタントでしたら「最低限これだけは知っておきなさいよ」といった内容が試験に出る場合が多く、そこから先で独自性を出すのは自身の経験からくるものが非常に大きいです。営業が強い人は営業プラス経営、私の場合はITプラス経営といった感じです。
糠森さんは中小企業診断士協会の相談役をされているそうですね。これは会社を15年経営されているからですか?
はい、東京都中小企業診断士協会の相談役を務めています。15年やっているからという訳ではないですね、もっとやっていても務められない人もいますし(笑)
相談役っていうのは普段は何をしているのですか?
何もないです(笑)年に2回、中小企業診断士の総会があるのですが、その前に相談役会というのが行われまして、その中で総会の進め方の確認を取ったりするくらいです。相談役に就任する前は役員を務めておりましたが、その頃は毎月会議などの仕事が多くて忙しかったです。
役員の時は何をしていたのですか?研修とかですか?
そうですね、私は理論政策更新研修運営委員長の肩書でした。
中小企業診断士は年に1回研修を受けなくてはいけなくて、その研修を企画したり運営したりといった取りまとめの責任者をしていましたね。年間5500人くらい受講していました。
あと公社の相談員も務めらえているそうですね。
そうですね、東京都中小企業振興公社の窓口相談員です。葛飾区にある城東支社で毎週火曜日の9時から17時まで相談員をしています。
そうだったんですか、城東支社は葛飾区のどこにあるのですか?
青戸です。
僕、お花茶屋に住んでいます(笑)
何かあったら相談しに行けばいいじゃん(笑)
続きまして、先ほど起業する前に5年分の生活費を貯められていたとのお話を頂戴いたしましたが、これかから起業をしたいという若者に向けて一言メッセージをお願いします。
私はリーマンショックとか東日本大震災が最悪の状況だと思っていたのですが、今の新型コロナの状況こそが最悪だと感じています。これ以上悪くなくなることは無いと思うので、今の状況で儲かるビジネスモデルを作った人はもう上る一方だろうと思います。ですので、そのアイデアを持っている人は起業したら下がることはもう無いだろうなと思います。
ありがとうございます。最後に個人的に何か一言まとめをお願いします。
一度は起業をチャレンジしてみるのも良いと思います。ダメだったらまたサラリーマンに戻る覚悟があれば、挑戦してみても良いのではないでしょうか。
もしやりたい事があるのなら、それはもうやってみた方がいいですよね。
そうですね。でもやりたいことが無い人が始めても、上手く行く人は上手く行きますよ。結局、運な部分が多いですよ、起業は(笑)
今は助成金申請の手伝いとかが一番多いですか?
そうですね。後は経営診断書の依頼も多いですね。
糠森中小企業診断士にお願いしたい方、ぜひご連絡をお待ちしております。
僕は2~3年前に糠森先生にものづくり補助金を取っていただきました。
今のコロナウイルスパンデミックの状況下で様々な補助金助成金が出ており、比較的に採択されやすい状況だと思うのですが、糠森先生から補助金・助成金が採択されやすくなるコツを伺いたいと思います。
補助金と助成金の2種類がありまして、とにかく形式さえ整っていれば出るのが補助金です。しかし、経産省系や東京都系は提出した人全員が受けられるわけではない場合が多いです。しかし、審査を通過した人しか受けられない補助金・助成金の場合は、採択されるポイントはいくつかあります。
そうなんですね。
例えば、少し前に終了したものづくり補助金の場合は、配布された冊子内に審査項目・審査基準が記載されています。そして、記載されている内容に沿って審査されていくため、それらをすべて網羅する必要があります。
なるほど
その時に、審査員が読みやすくしてあげるのが大切です。例えばものづくり補助金では「新製品・新サービスの革新的な開発となっているか」というのが基準にありますので、申請書には“①新製品・新サービスの開発について”とタイトルを付けてわかりやすく記入すると良いです。同じように、各審査項目全てに基準と合ったタイトルを付けることで、網羅的に点数を取ることが出来ます。これが採択への一番の近道です。
ちなみに、ものづくり補助金は今いくらでしたっけ?
1000万円ですね。
和則くんは何か機械設備かシステムを整えて、ビジネスを始めたい、みたいなのはある?
Suicaとかに使い道のない半端な残高があると思うのですが、それらを使って宝くじのようなサービスを作りたいと考えています。他にも様々な電子マネーが流通していますが、それらも連携して応募できるような仕組みを作って行きたいですね。
糠森先生、どうですかこのアイデア?
多分ダメでしょうね(笑)それぞれが持っているお金がただ移動するだけですよね、そこに特に付加価値を生み出すとかでは無いので難しいかと。
例えば景品性があるものとか、ギャンブル性がある様に聴こえるのはダメなのですか?
そういった性質があるものはダメですね。ただ、端数を寄付したうえで手数料として何パーセントかを頂きますよ、といったものでしたら良いかなと思います。
なるほど、ありがとうございます。
宮本さん(カメラマン)も、せっかくだから何か質問をしてみたら?
私はキッチンカーを使って移動販売をしたいと思っています。
キッチンカーは100%ダメです(笑)自動車は補助金では絶対にダメですので、受けられません。
もう1つよろしいですか?僕、今洗車デリバリーという事業をやっていまして、今は電話やメールで依頼を受けているのですがそれをアプリ化出来ないかと考えています。
それは可能性がありますね。
宮本さん、キッチンカーの前に考えていたお小遣いアプリはどんな感じだったっけ?
私は、子供が何かお手伝いをしたりテストで良い点を取れた時とか、何かの目標を達成した時に親が設定した額がアプリ内で貯金され、一定額が溜まった段階でICカードやギフトカード等に換金できるアプリを考えています。
新しいサービスですね、可能性はあると思いますが、申請書の書き方が非常に難しいですね(笑)
和則くんが洗車をしながら宮本さんの料理を配達すればちょうど良いよね(笑)
それでは糠森先生、本日はありがとうございました
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