当社代表の大川 桂一が、主にブレイントラストのシェアオフィス、バーチャルオフィスを利用されている先輩起業家にインタビューを行っています。起業時の苦労話や成功・失敗談、これからの展望をお聞きしています。
InHim合同会社
マリップ・セン・ブ 社長
ホームページ:http://inhim.jp/
今回はInHim合同会社のマリップさんにお話をいただきたいと思います。マリップ社長はミャンマーの方々が日本で働く環境を提供しています。日本に来て何年になりますか?
もう28年になります。
28年!?じゃあ子供も立派な大人になっちゃいますね。
そうですね(笑)
さらに4人の娘さんのお母さんでいらっしゃる。いろいろな想いがあって起業されたと思うのですが、なぜ起業をされたのですか?
そうですね、私はNPO法人として日本にいるミャンマーの方々の就業の手伝いをしていましたが、皆さん大変苦労されていました。私は知り合いの社長が多くいるので、その方たちに紹介するとなどして手助けをしていたのですが、当初はボランティアでおこなっておりました。しかし、ボランティアだと課題が多くあり、しっかりと活動していく上では会社という形が必要だと考え、起業をすることにしました。
実はマリップ社長のNPO法人は非常に有名でして…
そんなことないです(笑)
起業はうちでやっていただいてまだ1年、もう2年ですか?
まだ1年、ちょうど1年くらいかと。今年で2年目です。
今はコロナの問題があるのでミャンマーの人はなかなか来日出来ないですよね。
でもマリップ社長の場合はそもそも日本に居るミャンマーの人の就業支援をされているということですよね?
そうですね。日本に在留しているミャンマー人の雇用の問題なので、現在日本に住んでいて困っている人たちのために活動しています。
そうしましたら、ミャンマーの人が日本で就業するために一番ネックになることとか、就業したいときに断られてしまうのにはどんな課題が多いのでしょうか?
私が思うに、ミャンマーの人たちは仕事をとても頑張りますし、一回就いた仕事は、周囲の状況や社内で問題が起こらない限りはなかなか辞めません。そういう強みを持っています。私が紹介した会社からはすごく気に入っていただいています。遅刻をしないし、勤勉で長く務めてくれています。しかし弱みもあります。ミャンマーの人たちはどうしても言葉があまり上手に話せず、勉強したいけど時間が無いなどの理由から、言葉の壁をなかなか越えられずにいます。
うんうん
色々な人と一緒に働く中で、そこの部分を理解してくださる方いればいいのですが、何かあったときに悪く言われる等の問題があると、皆が気持ちよく働けなくなります。なので、紹介先の会社もちゃんと受け入れられるように、ミャンマーの人たちもその会社で長く幸せに働けるように、紹介をする際はまず私自身が現場へ働きに行きます。
マリップ社長が働きに行くのですか!?
実際に働きに行きます。働いてみて、会社の中身、雰囲気などを体験したうえで私たちが働きやすいシステムを考えます。そして、このシステムはベストだと確信が持てた上で紹介をします。そうすることで、その人にとっても紹介先にとっても働きやすい環境を作れると思います。
なるほど
しかし、その中でも良い事もあれば悪い事もありますが、その辺の問題も皆で協力してより良い環境を作っていけると考えていますし、私自身も一緒に問題に取り組むことで、ミャンマーの人たちも「マリップさんがいるから私も安心だ」と言って入ってくれます。そのような会社にしていきたい、と考えています。
社長は日本語べらべらですけども、社員の人たちはべらべらじゃない人たちもいるじゃないですか、そういった人たちの支援はどのようにされているのですか?
おっしゃる通り、日本語が苦手な人は多くいますので、私たちはNPO法人の方で日本語を教えています。また、日本語が得意な人には高い日本語力が必要な現場、あまり得意でない人にはあまり出来なくてもいい現場など、現場の環境をチェックしながら紹介をしています。
日本だと書類文化だから漢字がちょっと厳しいですよね。
そうですね。そこでミャンマーの人たちには、休日に教室に来ていただくなどして勉強をしてもらっています。最初はわからないけど、毎週勉強をする中で徐々に理解していき、書類とかも書けるようになります。それでも、特に難しい書類となると皆、「書類となると頭痛い、もうやらない」と逃げてしまうことが多いです。
うんうん
ですが、会社で使う漢字ってそんなに多くないじゃないですか、それをまとめてピンポイントで教えています。「特にこの漢字とこれは使うから、一緒に勉強しましょう!」と。一緒にやって自信を持たせるようにしています。このように、ただ紹介してもう終わりという会社ではなく、私たちの会社ではアフターケアまで含めて共にやっていくという形の紹介をしています。
なるほど
私のもともとの目標として日本にいる私たちミャンマー人の給料、社会保険、年金などを、日本人と同じ水準までもっていきたいと考えています。その中の課題として、一番大変なのがやはり言語です。なのでNPO法人で日本語を教えているということプラス、自分も一緒に問題に取り組むことで、皆が「マリップさんもやっているから私たち頑張りましょう」と言っていただけています。誰でも仲間とか友達がいると、とても心強いですからね。
マリップさんの娘さんとかはそういった意味では日本語とかも小さいころから慣れ親しんでいらっしゃいますよね。
そうですね、娘たちは日本で生まれたので日本人と同じように育てています。日本語は問題ないですね。
和則君は結構苦労していて、大学も自分でお金払って通っていたんですよ、一時期道を外れたりもしたけど(笑)
彼はちゃんとしているのですけども、それでも社会保険のこととかあまりよく知らなかったんですよ。でも、そういうサービスがもともと無い外国の方からしてみたら…
もっと難しいですよね。
社会保険があるっていうことは日本人からしてみたら当たり前だけど、外国の方からしてみるとやはりそこがね。
そうなのですよ、私は20代で日本に来ましたが、社会保険や有給などは整備がされておりませんでした。なので、私は2015年頃からやはりそこは整備をしてもらうべきだと考えるようになりました。外国人ひとりひとりにも日本の皆さんと同じように有給があり、家族と一緒に過ごす時間、年金などの社会福祉サービスを受け、安定した生活を送っていけるよう、私は頑張っていこうと思います。
最後に、なんて言うのでしょうか、社長みたいに日本に来て事業を起こす方ってハードルが高いと思うんですよ。
そうですね。
これから起業したいなと思っている外国人の方に対して一言メッセージをお願いします。
本当に会社を興すというのはとっても大変だと思います。でも、諦めないで頑張っていただきたい。オフィスとかすごくお金が必要で大変ですが、今回大川さんみたいに支援してくださる方がいるからこそ、私達は会社を興して働けています。様々な面で起業家を支援をしてくださるブレイントラストのようなシェアオフィス・バーチャルオフィスもありますので、ぜひ頑張って下さい。
最後宣伝までしていただいてありがとうございます(笑)社長にご連絡したいという方はぜひご連絡をください。国民性が義理堅いとことか、似ているんでしょうね、ミャンマーの方と日本の方って。
そうですね(笑)
ひとりでも多くの方が社会保険の入れる会社で働けたり起業できたりするように願っています。今日はありがとうございました。
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